仮夢庵CarimAn

ドラマ『陳情令』についてアレコレ

陳情令 衣装について

 

古装ものは時代や場面によってキャラクターの衣装が替わるのも楽しい。特にこのドラマ、主役二人は種類が多い。
ドラマを観ていて考えることを書いておく。(8/30 8話柄衿 追記)

 


【注意】
自分の覚え書き用なので乱文。
勘違い、見間違いがたぶんある。


呼び方がわからないので、便宜上身体に近いほうから、内衣・上衣(1~2枚あるいは比翼仕立て)・長衣(帯の上になる羽織り物) と書いている。和装の 襦袢・長着(着物)・羽織のイメージ。

 

 

 


《藍忘機の衣装》

藍忘機は、白ベースで差し色は薄青。
全体的に軽くて透け感のある生地がたっぷり使ってあってアクションが映える。特に過去編はそれが顕著。ほとんど動きのない聶懐桑や金子軒などの衣装の重みとは対照的。
全編を通して大振りの袖は、剣を振るう時や琴を出し入れする時、効果的に翻る。

陰鉄探しと百鳳山は空色の軽装。若干作りが違う。
教化司襲撃、射日あたりは戦闘衣の表現か肩口が張ったものに。

16年後の現代編では、上衣の上に羽織っている荒いシボのある長衣が、豪華になった冠と合わせて年齢と身分に見合った雰囲気を出している。(訓学の時も似たのを着てるけど、そっちはレースを使っている。暑い時期?)
大きく広がる袖はしょっちゅう倒れる魏嬰を包んで護るのにも好適。蓮池の名シーンはやっぱりこの袖じゃなくちゃね。


(別シーンのメイキング(中国語)で監督が「16年後 あなた(藍湛)は彼(魏嬰)を溺愛してるから…」と説明しているのを見た。溺愛かあ…確かに。)

 

 


《魏無羨の衣装》

魏無羨は座学の時以外は腕周りをすっきりまとめたものが多い。呪符と笛という武器にはこのほうが細かな動きがわかりやすくて良いのかも。
衣装の面でも藍忘機とは対照的。キャラの性格上、自由奔放には身軽く手甲、冷静沈着には広袖というのは創作物ではよくあるパターン。

上衣の生地は厚手で手甲や帯など革っぽい小物も多そう。そのかわり内衣に少しやわらかな素材(でも透け感なし)を使い、プリーツをとって脚の動きは自由度が高い。基本的に黒か濃紺ベースで差し色の赤が内衣。大きな動きや風で赤がまさる仕組み。

夷陵の監察寮では温情が用意したのかマント付き。
乱葬崗に落とされた後は下の赤い内衣が常に大きく見えていてアブナイ奴っぽさを演出。
乱葬崗受難時はボロ衣。
金凌の祝いに向かう時から崖墜ちまでは、赤い装飾布が首周りにあって、蒼白の顔にメイクと共に血の色を加え夷陵老祖の闇感を引き立てる。

16年後、金凌に刺されて治療時から乱葬崗までは内衣が白。急場だったので藍氏の…藍湛のを借りたかな。それに血で呪を書いたので処分?蓮花塢では内衣なしなのか全黒に見える。

彼だけ時々脱いでくれる()ので上衣の構造などを確認したくて見てみるのだが、脱ぎっぷりが良すぎてわからない(笑)

 

 


《その他》

各世家別に生地の基本は、金聶温は厚、藍は薄。江は両方。
女性は比較的薄物。

金氏は豪華な刺繍、聶氏は織りのイメージ。

岐山温氏はマントや肩の張った物、帯も幅広くて大きなバックル金具など、威圧感のあるものが多い。生地の質感は刺繍や地紋など重め。

実は江澄の衣装は意外とバリエーションが多い。

 


内衣、日本の和装でいえば襦袢にあたる感じ。
大きく違うのは袖口。洋服と同じような筒袖で、上衣が広袖の場合はだいたい手甲や紐で手首あたりは締めてある。
下穿きとしてズボン形の物をはいてるので、風や殺陣でも腕や脚など肌が見えることはない。(メイキングは別。見えない演技の時は脱いでいるから。暑いもんね。)
上半身だけの半内衣と脚までの長内衣があるみたい。
前で合わせるタイプで、合わせ方の向きも和装と同じ右前。芯は入れない(和装も男性は普通ない)ようで、時々内衣の衿(特に下前)がヘニャっとなっている。魏嬰わりと多い。よく動くから?あれ衣装スタッフだったらきっと内側から引っ張りたくなるな。

 


衿の形がいろいろ。和装のような棒衿もあるけれど、身頃のみで衿がないものもある。衿先へ向かって極端に幅が広くなっているのも多く、そこに柄があるものもある。藍氏子弟の衿は雲紋様が刺繍されていたりする。

 


そもそも衣装のバリエーションそのものが多いのだ。
温寧のラストは袴のような物をはいているし、ベスト状の袖無し長衣を重ねてその上から帯というパターンもよくある。魏嬰や温情も乱葬崗時代はそれかな。

 

基本の構造がよくわからないので想像にも限界がある。
でも、もともと衣装全てが下半身部分は大きく広がるデザインだし、袖の作りからしても立体裁断必須だから、複雑で当たり前なんだ。

雰囲気を楽しむだけなら、着物をちょっと改良して着付けでそれっぽく着たりするのはできそう。

 


観ながらぼんやりこんなことを考えてるけど、結局 名前も作りもホントのところはわからない。
でも書いてみると、キャラの性格や立場や精神状態を衣装でも表現しているんだなとわかる。当たり前なんだろうけれど興味深い。

別に自分で作るわけじゃあないし、あれこれ想像するのが楽しいからいいのだ。

 

 

 


※8/30 書き忘れを追記。

8話の蒔花女の招状に集まる人。魏無羨達に説明してくれる人物。内衣の柄衿が大きく見えている。柄半衿をたっぷり見せる大正ロマンぽい着こなし。このドラマ内ではちょっと珍しい。たぶん風流人の表現。