仮夢庵CarimAn

ドラマ『陳情令』についてアレコレ

陳情令 第7話 感想

 

喧嘩の間に真っ暗なんですけどー、時間経過どうなってるのか。そしてめったに笑わない麗人の微笑の破壊力凄い、ということを認識する回。

 

 

 


本編を一話ずつ、感想というかツッコミながら書く。
基本的に自分用の覚え書きなので乱文。

【注意】
3or4周目なので当話のみでなく先々までのネタバレあり。
時々BL風味あり。
閲覧は自己責任で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


第7話 天灯に託す願い

 


藍翼から後事を託された魏無羨と藍忘機。
誓いを立てる藍湛の顔が凛々しい。
ここまできて魏無羨を部外者とは言えないだろう。二人でがんばってもらいましょう。


藍翼の霊識が消え、結界も霧散。
霊媒体質の温寧クンが反応。

 

「あ!他の陰鉄の欠片はどこに!?」

消える前に聞いて欲しかったわー知らんけど(by藍翼)

 


温情と江澄の前に、岩壁から湧いたように魏嬰と藍湛が現れる。知らぬ間に一晩が経っていた。

 

抹額さん あなた絡まりすぎです。
そんな近くなかったでしょ さっきまで?
おかげで妙に色っぽい構図になってるじゃないか。

兄さまといい抹額さんといい藍湛で遊ぶのやめようよ。
距離をつめるのにも段階というものがある。友だちいない人にいきなりこの体勢はある意味ショック療法だぞ。しかも人に見られるとか。そりゃ「どけ」ってなるよ。


でもその藍湛の角度いいな。裸額の藍湛レアだしね。だからうん 良しとします。

あ、もう抹額着けちゃった。早。

 

 

藍啓仁と藍曦臣に寒潭洞での出来事を報告。陰鉄はひとまず封悪乾坤袋に封じられる。
藍氏後継だけに事情は伝わっていた。今までの怪事はやはり陰鉄のせい。魏無羨の読みは当たっていたわけだ。

魏嬰に「通じあってるな」とドンされても睨まなくなった藍湛。ショック療法の効果出てるじゃん。


この件は内密に…ハイ誓います!誰にも言いません!
魏無羨を見る曦臣兄さまの優しい目 すごく好き。

 

一晩どこにいたんだと怒る江澄も、2人から冷気がと訝る温情も、心配したよーと言いつつ興味津々の聶懐桑も、てきとうな返しでけむに巻いてごまかす魏無羨。

「こーゆーことは俺に任せとけ」みたいに片眉をあげて藍湛を見る。なんか納得してる風なのがかわいい。


そうだよね。藍湛がしゃべってうまく切り抜けられる気がしない。任せて正解だろう。

 

全編通してそうだけれど、この頃は特に藍忘機のセリフが少ない。あっても二言三言、至極簡潔。
「三行“も”あるから前日にセリフ覚えなきゃ」
あの肖战魏嬰にケンカ売ってるメイキング好きだよ(笑)

 

巧言令色鮮し仁とやら。
ペラペラときれい言をならべてヘラヘラしてる者に誠なんてない。だから含光君はこれで良いのだ。
あ、別に魏嬰の悪口ではないぞ、念のため。彼には仁の心がちゃんとあるから …たぶん。

 

 

秘密を共有する魏無羨と藍二公子の様子に、なんとなーく面白くない江澄。

「そんなにヤツと仲良しなら、いっそ雲夢に帰らず雲深不知処に残ればいいだろ。」

またー心にもないことをー。

「冗談じゃない。こんな規則ばっかのとこにいられるかよ。雲夢が一番さ。」


変な想像すんな?変な想像とはナンでしょう?
原文わからんが和訳が時々狙ってる気がしてならない…俺の手に落ちる とかさ。まあいいや。

 

とにかくその会話、藍湛が聞いてるよー。
何か考えてるぞ。

友とはあんな風なもの…? とか
魏嬰は誰にでも近い…  とか
そんなに雲深不知処は嫌なのか…  とか

言葉になるほどクリアではないだろうけれど、そんなことを感じていそうな顔してる。
寒潭洞で近づいた距離がスッと離れた、ような気がしたかもしれない。
そして、だからなんだという風に切り替えて、藍忘機 余韻を残し画面奥へ退場。

 

 


温晁くんと薛洋、不夜天のでっかい扉の前でボス若寒と会話。

いや、中入れてあげたら?

よくそこで話ができるなキミたち。めっちゃ距離あるだろ。スピーカーでもついてんの?そのちゃちい椅子脇の赤×黒のギザギザしたのにマイク仕込んであんの?
まったく、温さん家はツッコミどころが多くて楽しいよ(笑)

だいたいその椅子が座り心地悪そうなのよ。
セット全体的によくできてるのに不夜天は造りが雑過ぎる。中も外もどー見ても人が住むところではない。

薛洋の監視?がんばれ温晁くん。

 

 


雲深不知処の崖では天灯を揚げる準備。
そこで作るのか。温情 赤い服だからって赤い紙使わんでも。


一緒にあげようと言う魏嬰に藍湛は
「一人が性に合う。」
あ、さっきのでちょっと拗ねてる。

「2人にも慣れるさ。」
さすが魏嬰。天然たらしのせりふだぞそれは。
しかもキミ用にうさぎちゃんの天灯だよって…おそろしいヤツ。


まんまと乗せられて微笑んでしまった藍湛。
なんか悔しい。のはわかるが殺気立って剣持たんでも(笑)
特製天灯を燃やされた聶懐桑 お気の毒。

 


何度も聴いてるのに無羈がかかるだけで胸がいっぱいになる。音って凄い。魔法みたい。

 

天灯シーンの藍湛の顔が全部好き。
うさぎの絵に微笑む顔。
揚がってゆく天灯を見上げる顔。
誓いを立てる魏嬰を見つめる顔。
陰鉄の入った袋を手に決意をあらたにする顔。

どれもなんて 綺麗なんだろう。

 

 


(何テイクでこの表情ができたんだろうと考えてしまう。無粋だ。)

 

 

この時の天灯の誓いが魏嬰と藍湛二人をつなぎ、引き裂き、また結びつけ、そして生涯導いて行くことになる。

「一生 悪をくじき 弱きを救えるように」

 

 

 


こっちは先を考えて浸ってたのにー
どーして喧嘩になるかなー
魏嬰くんにはも少し師姉とワタシの気持ちを考えて欲しい。


反省もせず蟻で遊ぶとは。
そいつはそーゆーヤツです、含光君。


子供が何かしでかしたら保護者が呼び出しをくらうのはいずこも同じ。
江宗主が来て師姉の縁談は白紙になっちゃった。
金光善~~私は結局この人が一番悪いヤツだと思っているのでここで見ると複雑。

藍啓仁・曦臣も陰鉄の件を江宗主にだけ相談してる。やっぱり金光善はなんとなく信用されてないのか。

 


塞ぐ姉さまを紙人形でなぐさめる魏嬰。
優しいし人形はかわいい けども、そもそも落ち込む原因作ったのは誰だって話よ。反省してくれ。


だいたいさ、江宗主も師姉も魏嬰に甘い!甘すぎる!
なにが「嬰はそういう性分なのです」だ。
「そうね。阿羨はみんなの人気者だわ」じゃないのよ。そんなのポップコーンマシンの○ティさんだけだぞ。

それだけ彼が愛嬌があって甘え上手ってことなんだろうけど、限度がありますよ?そしたら江澄は怒るしかないじゃん。バランス的にさ。不憫な子。

 


江氏姉弟のじゃれ合いをじっと見ている藍氏兄弟。

藍曦臣の「彼が帰ると静かになる」は「さびしくなるね」に聞こえる。本当に何も告げずに旅立っていいのかと。

自分と彼らは違う、魏嬰には自分よりずっと親しい者がいる、もとに戻るだけのこと…と考えてしまう、ような気がする 藍湛は。
だから独りで陰鉄探しに行くことにしたのかな。

 

 

たらしの魏嬰がうさぎまでたぶらかそうと、かわい~くアテレコしているシーンで次話へ。

 

 

 


 

 

 

 

 

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陳情令 第6話 感想

 

あのうさぎ達は何を食べていたのか。逃げ出したうさぎは誰が連れ戻していたのか。寒潭洞うさぎ事情は突っ込んじゃダメですよね。そして藍忘機 生まれてはじめて酒を飲む。

 

 

 

本編を一話ずつ、感想というかツッコミながら書く。
基本的に自分用の覚え書きなので乱文。

【注意】
3or4周目なので当話のみでなく先々までのネタバレあり。
時々BL風味あり。
閲覧は自己責任で。

 

 

 

 

 

 

 

 


第6話 志の継承

 

 

つまみの落花生持参で魏無羨の部屋にやってきた聶懐桑。江澄も交えて仲良く酒盛り。
前回天子笑を買ったのは魏嬰でした。というか彼しかいないか。

 

江澄の好きな娘はさー
言うなよおい!
ええ 知りたいなー教えてよー


修学旅行の中学生みたいなノリで大騒ぎする三バカ公子。(江澄をバカ呼ばわりは忍びないが今回はね)


「何をしている。」


引率の藍忘機先生に見つかる。そりゃあんなに騒いでりゃバレるわな。

 

ベッドでドタバタしてた3人がピタッとなるコントめっちゃ好きだ。垂れ髪をサッと払って脚を組む魏嬰の動きもいい。


阿吽の呼吸で江澄と懐桑を部屋から逃がすと、藍湛の肩にお札をピタッ。
え?それで含光君を操れちゃうの?ズルいぞ魏嬰。そのお札私にもください。

 

お猪口一杯の酒で倒れる含光君。
「おい、寝るなら自分の部屋へ行けよぉ」
飲ませたキミが悪い。

 

そう、抹額は大事です。基本的に伴侶となる人にしか触らせてはいけません。
魏嬰はぜんぜん深く考えず、この後も平気で触るけど。

この時思わず出た藍湛の「何をする」が年相応な感じで良い。(普通話の声優さんだと思うけどすごくキャラに合ってる)

 

こんなお堅い家に嫁なんか来るもんかと魏嬰は言うけど
いや…!
いやいやいや!
この藍二公子になら嫁ぎたい女子は山のようにいると思うよ。ついでに嫁にきて欲しい公子もきっといる(笑)

 


ともに両親に縁の薄いこの二人。
母はいないとうつむく藍湛に深くは聞かず、自分も早くに死んだ両親の面影なんてほとんど覚えてないと話す魏嬰は優しい。
そして二人で酒を…飲んだ……のかな?魏嬰がひとりで飲んでたか。


なんとなくこの時の藍湛の顔 気になる。(引き画だからかこんなに顔が影になってるシーンたぶんない。含光君には文字通りいつもしっかりレフで照明当たってるのに。)

 


あの後、魏嬰がひとりであれこれ話しながら酔ってそのまま先に寝ちゃったりして。そしてその顔を藍湛(微酔)が黙ってじっと見たりして。そして亥の刻にはオートで寝ちゃうんだよね藍湛は。

 

 

翌朝、清談会から戻った藍啓仁に茶を淹れる藍曦臣。清河聶氏のところでも不穏な事件が起こっている様子。


この茶器の棒がなんかステキ。真鍮か何かかな。藍氏は家具とか小道具がいちいち凝ってる。蔵書閣といい静室といい、雲深不知処が一番細かく描写されるから作り込みがいがありそうだ。

 


酔って寝過ごしたー!の魏無羨が振り返るとそこには牀榻から落ち、寝乱れた含光君。
片膝立てて裾も乱れ、角度のついた首すじに無造作に髪が一房。
綺麗な形に落ちてるなあ。ドラマだから当たり前だけど(笑)

魏嬰よく噴き出せるね。ちょっとドキドキしましたよこっちは。


けしてケチをつけるわけではないが、この魏無羨の噴き出し方独特じゃない?この後も何度か同じ感じなんだ。演じ癖か。

 


藍先生の前に出て、すすんで罰をうけると言う藍忘機。俺が無理やり飲ませたんだと一生懸命かばう魏無羨。
それはそう。でも偉いね。お調子者だけど正直で友思い。魏嬰の良いところだ。
2人とも戒尺300回の罰をくらう。


え?あれ?

戒尺300ってアノ時のアレでは??


ずっと気になっていたので今回ちゃんと確認してみた。
あっちは戒鞭300回でした。笞刑ってやつか。
尺と鞭じゃダメージがまったく違う。そして鞭だとあの痕が…と、たぶんそーゆーことね。
でもあのでっかい尺で叩かれるのも相当痛そうだ。

 


どこもかしこも痛いよぉと師姉に甘える魏無羨。当帰と羊肉の汁物をねだる江澄。そんな弟たちを嗜めながらもしかたないわねと微笑む厭離姉さま。
この3人の明るくて優しい関係が本当に本当に好きだったよ。

 

戒尺の傷は冷泉で癒すといいとすすめる澤蕪君。魏嬰の母 蔵色散人が藍先生の学友だったことも教えてくれる。

魏無羨とまったく同じタイプのしかも女性?
それは…なかなかヤバい(笑)


「叔父もヒゲをたくわえるのは苦労しただろう(遠い目)」

ナニをしたんだナニを!蔵色散人!気になるぞ!

 

 

温情は不夜天のボスにお札を燃やして業務連絡。面白い通信手段だな。
「陰鉄は水の中に?」

 

 


滑らかな肩を晒して冷泉に入っている藍忘機。魏無羨の呼ぶ声に急いで衣を羽織る。上衣まできっちり…チッ。

藍湛があんな格好で入ってるってことは、この場所は皆が知っているような所ではない。なぜ魏嬰が?
「澤蕪君に聞いた♪」

また兄上か…みたいな顔をする藍湛。

だよね。このあたりの澤蕪君、言い方は悪いが遣り手ばばあみたいだもんね。絶対楽しんでるぞあれは。

 

「友だちになろう!」
「治療だから服脱ぐんだよ?」
「今度さ 雲夢に遊びに来いよ」

魏嬰はまっすぐで無邪気で距離感が近い。藍湛には戸惑うようなことばかりする。そこはいいけど

「雲夢の女の子は美人だぞー」

それで、わあ雲夢行きたーい!となる相手かどうか見てりゃわかるだろ。懐桑じゃないんだから。


ふいに怪しい気配。

何ものかに水に引きずり込まれ、寒潭洞に迷い込んだ魏無羨と藍忘機。
濡れ髪の艶感が素敵。


白い琴からの弦殺術で魏嬰吹っ飛ぶ。
大事な抹額でお互いの手をつないで回避。


抹額貸してと言ったのは魏嬰だけど、藍湛がクルクルしてくれたわけで。
対応は相変わらず塩だけども、それなりにその他大勢とは違う存在になってるんだろな 魏嬰は。まだハッキリ認識していなくても。

まあ主人公の彼といると抹額の多目的使用に抵抗薄れるよね(笑) 物語上それはしかたがない。

 

琴に触らないと言ったそばから触ろうとする魏無羨。深く考えずしゃべるのはやめましょうね。所かまわず腰をおろすのもお行儀が悪いことですよ。
…子どもの躾か。

 

問霊のイメージエフェクトがとても綺麗。
というか藍湛はいつでも完璧に綺麗。←

 

 

一方、雲深不知処内では魏無羨と藍忘機がどこにもいないと騒ぎになって皆で探している。


江厭離と金子軒が少女マンガだ~。この2人はお似合い。木々の緑と流れる滝がとても美しい景色。

 

 

寒潭洞では琴前に女性が。
先達にキチンと挨拶する藍忘機。目上の者に対した時の藍湛のこの感じ、なんか好き。

「寂しくないように飼ってるけどよく逃げ出すのよ」
そんな普通のおばさんみたいなことを言う抹額うさぎの飼い主 藍翼(の霊識)が陰鉄の秘密を語る。

 

数百年前、薛重亥によって錬成され、五大世家によっていくつかの欠片に砕かれ封じられた陰鉄という邪法器。その陰鉄を制御し世のために利用できないかと考えた藍翼だったが叶わず命を落とす。自分の過ちを償うため残った霊識でその陰鉄をなんとか抑えてきたが、今その力が尽きようとしている。そこへ二人が現れたのだと。

 

過去に陰鉄の扱いについて対立した藍翼と抱山散人。それぞれの子孫と孫弟子にあたる藍忘機と魏無羨。怨念の利用を考える者と知己の身を案じてそれを止める者。

陰と陽。正と邪。

志は螺旋にねじれて二人の若者に託される。

 

それが天意ならば今度こそ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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陳情令 第5話 感想

魏公子、お仕事中禁酒は一般常識ですよ。そして藍二公子はけっきょく春画を見たことがあったのか?

 (8/5少々加筆)

 

 

 

 


本編を一話ずつ、感想というかツッコミながら書く。
基本的に自分用の覚え書きなので乱文。

【注意】
3or4周目なので当話のみでなく先々までのネタバレあり。
BL風味あり。
閲覧は自己責任で。

 

 

    

 

 

第5話 湖の怪

魏嬰がカワイイ

 


前回トンデモ怨霊利用説を唱えて藍室から追い出された魏無羨。
裏山で考えるフリしてサボっているところを藍忘機に見つかり蔵書閣へ連行される。

 

すごーく細かいんだけれど、ここのシーン、殺陣が終わり魏嬰がセリフを言いながらさりげなく藍湛の上衣の袖を直す。ここと、次話 かな…冷泉シーン。脱いで放った沓が水に落ちたのを、芝居は続けながら拾って岸に投げる。この2ヶ所がとても好き。
袖のほうは長回しではないので、前後でえ?めくれてた?と思ったけど、ポイントはそこではない。
私がここを好きなのは、演者が慣れてるなーと、そしてとても魏嬰ぽい動きだなと思うから。雑なようで意外と細かなところに気がつく。原作未読なのでそちらのキャラは知らないが、肖战の魏嬰はすごくよくできていて流れるように自然でとても魅力的だ。

いや、うん それだけ。(魏嬰を褒め慣れないのでなんか照れる。)

 


蔵書閣。無羈・忘羨が微かに流れる。

このセットすごくない?いや、このドラマ全体の世界観の再現度すごすぎない?特に雲深不知処のディテイルが一番ツボだなあ。
もうここに住みたいですワタシ。

 

ダラダラと罰の書写をする魏無羨。
景色にとけこんだように端然と座る藍忘機にちょっかいを出す。


「うわー字上手いねー。ねえねえ返事してよー。藍湛てばー。こっち見てくれよぉー。」


睨まれても無視されてもしつこく絡めるのもある意味才能である。

足を下ろせと言われて上がり込むってどーゆー了見なのか?
グダグダと言い訳を繰り返し、謝るからさーとか言ってるけど絶対悪いと思ってないだろオマエ。
本当に反省してる人間は「ごめんごめーん」とお気楽に繰り返して墨クルクルしたりしないのだ。

座して乱れず 含光君、禁言術でサラリと解決。素敵。

 


温情姉さんは弟に陰鉄捜しの件は伝えていないらしい。
弟のため一族のため。いつもひとりで頑張るのは彼女のほうだよなあ。先を思うとツラいわこの姉弟

 

 

後日、再び蔵書閣。

「礼則編」1000回書写の罰をようやく終えた魏無羨。藍忘機の姿画を描いてプレゼント。
上手いじゃん。
さすが六芸に通じなんでもできる男。ムダに多才。


画の花飾りに少し目を張る藍湛かわいい。

「あーわかってるって。“くだらん” だろ?」
「“極めて” くだらん」


 !


ナニこの返し?藍湛なんかレベルアップしてるよ!
しばらく魏嬰と一緒にいて確実に何か刷り込まれてるぞこれは!


そしていつの間にすり替えた?という春画には藍湛 激怒。
こはちょっとレベル高すぎたよね。というか魏嬰がからかいを二段構えにするほど藍湛のレベルが上がったと言うべきか。


その程度の春画ごときでそんな怒らんでも、とは思う。そこは魏無羨に同意。
でも潔癖藍忘機の怒った顔と乱れ髪バッサーがめっちゃ好きだからいいや。

 

 破った春画は結局誰が片づけたのかな?そっちが気になるわ。

 

「失せろ」

含光君らしからぬ乱暴な言葉で追い出された魏無羨。
江澄と聶懐桑に武勇伝?を語る。


「せっかく聶兄からもらったのに破かれちゃったよ」
「ああ 春画なら山ほどあるから気にするなって」


オマエのか。

こいつら机並ばせたの誰よ。
江澄も苦労するよね。がんばれー。

 

 

藍氏双璧の会話。

雲深不知処裏山の結界はわけあり。
誰が立ち入ったのかと聞く兄に「魏嬰が」と答える藍忘機。
なにげに名前で呼ぶようになってるなぁ。

そこへ蘇渉(この辺でちょこちょこ出てたんだ)が来て報告。
彩衣鎮に水の怪が出たので退治して欲しいと要請があったとのこと。
準備をして向かう途中で魏無羨、江澄、温姉弟も合流。


「なぜ同行を許したのです?」
「お前が江氏の二人と行きたがっていたからだ。違うのか?」


この兄さまはなぜこうも察しがいいのか。

でもそれにしても宿の部屋割りおかしくないですか?
普通に考えて二人部屋なら、藍氏兄弟、江氏二人、温氏姉弟、の組み合わせじゃないの?
ナゼ藍湛と魏嬰の2人が同じ部屋?
そーすると江澄と藍曦臣が同部屋なんだろか?そちらの2人を想像するとなんか笑ってしまう。江澄気まず(笑)

 

水の怪退治に碧霊湖へ向かう一行。

あの傀儡とこの水の怪は何か関係あるのではと言う魏無羨、それ正解○。
でも夜狩り(仕事)中に飲酒は✕。

どっから持ってきたんだその酒。
藍湛にドボドボと捨てられる。この問答無用感が大好きだ。そしてちゃんと甕は返すお行儀の良さ。

でも魏嬰たら一口も飲んでないのにくれようとしたのか?そーゆーとこなんか優しいよね この男。

 

湖ではワカメみたいな水の怪が船底に張りついていた。吃水の位置でそれに気づく魏無羨。さすが主人公。

 

魏嬰は藍湛と仲良くしたいのはわかる。が、「酒を捨てられて俺が文句を言ったか?」

それは言ってただろさっき。

 

藍湛も剣の銘を聞いたりしてまあまあ話をするようになったね。相変わらず「離れろ」「くだらん」「親しくはない」だけど(笑)

 

水の怪はグルグルして水行淵に。
温寧の白瞳にビックリ!の魏嬰、藍湛に助けられる。

「襟じゃなく手をひっぱってくれよー」
「他人にはさわらん」

そうだ。そう言ってたなぁ この頃は。16年後のベッタリを見たら本人驚くだろうな。

 

宿へ戻っても起きない温寧にお守り?を渡す魏無羨。
「俺を信じなくてもかまわない。いらなきゃ捨ててよ。」
このスタンスすごく魏嬰らしい。でも温寧は大切に持っているんだよずっと…。

 


江澄、櫛をここで買ったの?
ほんのり温情が好きな感じ、表情が若者らしくてとてもいい。

 

 

温情姉さま、温寧くんに蓮の実買ってあげたら?いや、よしよし じゃなくて。
藍湛、ビワの取り方…達人ですか?てか手の向きおかしくないですか?
魏嬰、返されたビワを江澄にあげなーい。
兄さま、また弟の心を深読みしなーい。もはや藍湛の反応を楽しんでますよね?

でも明るい陽射しに水の碧に衣装の白と淡青。綺麗な1コマだ、このシーン好き。

 


おや?誰か天子笑を買ったよ。
さて誰でしょう。


正解は次話で。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

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陳情令 第4話 感想

異端の仙師とは誰のことなのか。
温氏?魏無羨?その両方かなあ。
あ、聶懐桑ではないですたぶん、な回。

 

 

 

本編を一話ずつ、感想というかツッコミながら書く。
基本的に自分用の覚え書きなので乱文。

【注意】
3or4周目なので当話のみでなく先々までのネタバレあり。
BL風味あり。
閲覧は自己責任で。

 

 

 

 

 


第4話  異端の仙師

 

 

 

罰で書き散らした家規にまみれ寝坊した魏無羨、あわてて座学へ。


藍啓仁先生と宗主藍曦臣の見守る中、まずは藍氏家規が読み上げられる。
3500条とかどんな内容なのかと思ったら「喧嘩はダメ」「廊下は走らない」「騒ぐの禁止」「腰の飾りは三つまで」「服の改造禁止」「お風呂に入ったら服を取り替えよう(これ一番笑う)」とか、細かいよいちいち。
これは魏無羨でなくてもめんどくさい家だなーと思うわ。

 

というか前から思ってたんだけど、規則というのはそれをやらかす奴がいるから禁止事項となるのである。

活発な子供はほっときゃ廊下を走るものだ。そうでなければ「廊下は走らない!」なんてポスターは必要ない。大声を出す者がいないのに「騒ぐな!」と怒る教師などいない。

つまり雅正を旨とする姑蘇藍氏にも、過去に「大声で騒ぎ走り回り喧嘩をし、校服を改造し腰に佩玉をジャラジャラつけ、風呂に入っても服をかえない。目上の者への礼儀?ケッ!」という信長か劉邦みたいな奴がいたんじゃないの~?と、想像してニヤニヤしてる。
ああ楽しい♪


「抹額は大事なので他人に触らせちゃダメ。他の用途に使ってもダメ」というのがセリフでしっかりあったんだなー。
他の用途に…ね。フッ。

 

清河聶氏の聶懐桑くん、鳥を教室に持ち込んではいけません。いや金の雀?金かそれ?
ピチュピチュ鳴いてバレバレ。魏無羨と雑談して藍忘機に睨まれる。
いいねえ美人は。怒った顔も美しくて得である。


聶懐桑の口ぐせ「お見それした」はとても好き。
というか聶懐桑が好き。
彼を見てると、のび太ってあやとりと射撃は得意なんだよなと思い出す。


懐桑の「ヤバッ」って反応、これが普通。
「あ 昨夜はどーもー♪」みたいに手を振る魏無羨、これはNOT普通。
罰を与えても効果のない人間の見本のようなヤツである。

 

そして各世家の代表が先生にご挨拶して贈り物贈呈。

聶さんとこの副使として孟瑶=金光瑶 登場。あれ金宗主の隠し子だよと聞こえるようにヒソヒソされる。
このヒソヒソしてるのが誰なのか今回ちょっと気になって見てたんだけだけど、衣装と立ち位置からして江氏のとこの子弟かなあ。自由な家風とは言えしつけの悪いことだ。
まあこの説明セリフは必要だし、消去法で江氏組しか言えないからしかたないけど。

 

姑蘇藍氏の座学に参加ということで、皆白い衣装。ドラオリ?
パッと見同じようだが、襟元や帯などに家のイメージカラーが差し色で使われ肩には家紋の刺繍。なのでどの家の子弟なのか見分けられる仕様。
ついでに金子軒は金持ち若さまらしくちょっと豪華。

 

陰口された孟瑶を気の毒に思ったのか、藍曦臣が宗主自ら贈り物を受けとりに。
うんそうね、ココにもまた別の物語のはじまりがあったのだ。この回でだいぶ視線が交わされてるんだな。(←今回ちょっと深掘りしたので思い入れがある。)

 


そして…あ!温晁くんだ!自分では戦わない温晁くん!
いいね彼は!悪役として非常に正しい。
気の毒な背景とかやむにやまれぬ事情とか何もなくただ悪いヤツ。こーゆー人は安心して見ていられる。どんなひどい目にあってもこっちの心が痛まない。悪役のお手本である。

「招状がないと…」
「これが岐山温氏の招状だ!」
雲深不知処入り口で門番さんを軽く燃やして力ずくで突破。
江澄が挨拶してるとこぶった切って傍若無人に威張り散らす。
ウフフいいぞー。もっともっと悪逆非道に頑張ってくれ。この人の謎にクイクイしてる手の動きも大好きですワタシ。

 

揉める温氏江氏。双方剣を抜き一触即発。その全員をまとめてエクスペリアームズしちゃう澤蕪君の簫のポテンシャルすごすぎる。

 

温情の剣の装飾がすごく綺麗。女性らしく赤と翠の色石があしらわれ大ぶりの房飾りがつき彼女にとても似合っている。藍忘機の避塵、赤鋒尊の覇下と並んで好きな剣だ。

 

温情、温寧 姉弟は事情あり系悪の人たち。
陰鉄探しに送り込まれたので、座学には全く参加せず裏山をウロウロしてる。藍先生、そこはスルーなんですね。なんか裏があるとわかってても形だけでも罰とかいいのかね?

裏山は立入禁止だから人は来ないはずだが、「タチイリキンシ?ナニそれ?オイシイノ?」というヤツが愉快な仲間の懐桑くんと魚採りに来てたりするので油断できない。

 


殺生禁止の雲深不知処の魚を丸焼きにして宿所へ戻る魏無羨。
江澄、君は偉いよ。ここでも鍛練を怠らずがんばってる。真面目か。江家の総領息子としての立場もちゃんと自覚してるし、たぶんその常識はずれの師兄がいなければそんなにいつもプンスコ怒ってないだろうにね。私は応援してるよ陰ながら。

そして陳情令の天使 厭離姉さまはどちらの弟にも優しい。
「面倒は起こさないよ!」と誓う羨羨はとてもかわいい。この超シスコンは師姉に甘える時、3割増し(当社比)でお目々キョロリンとなる。


しかし誓うだけならサ…いや誰でもできる。

授業中、居眠りおやつ落書きと真面目に受ける気ゼロの魏無羨。
「他人をもてあそばず…」とか言ってる先生の尻に亀の絵を貼り、睨んだ藍忘機の元へ式神?を飛ばす。
叱られて矢継ぎ早に問題を出されても根が賢いのでするすると答えちゃう。すごいけど先生よけいムカつくわーこれは(笑)

そして首斬り人の怨霊問題が出される。


これ初見ではホケーっと見てたけど、わりと重要だったんだな。夷陵老祖となる根底の思想がもともと魏無羨の中にはあったという。


彼は運命に翻弄された被害者ではなく、あくまでも自分からすすんで選びとった結果の魔道。

善とか悪ではなく、もっとフラットな視点で霊気と怨念も同じ気なら利用できるんじゃ?と、それこそ「無邪気」に考える。伝説の名君 禹の治水事業を持ち出すあたり、今思いついたというより普段から考えていたのかもしれない。
常道ならずとも制御さえ可能ならば利用して悪いことがあるのか?

天才なのだ、彼は。

 

まあ先生がそんなの許すわけない。
積み重なり定石となった過去を教えるのが教師である。

「どう制御する」
「それはーー考え中ですっ」
「それができたら各世家がお前を生かしておかぬわ!馬鹿ものー!」

このシーンのリズム感大好き(笑)
ちゃんと伏線になってるし。


そしてまた罰則をくらう魏無羨。そりゃそうなるよね。藍忘機も監視としてつき合わされる羽目に。

 


よく藍湛がどこから魏嬰にあそこまで思い入れを持つようになったのか話題になるようだけれど、少なくともこの発想の非凡さは絶対この頃の藍湛にはない。こことこの後の蔵書閣での時間は確かに藍湛の魏嬰への気持ちを少し変えたと思う。

見た感じまだずっと怒ってるけどさ(笑)

私は藍湛が魏嬰を 伏し目から斜め横に流し 見上げるように睨む顔がとても好きなので、このあたり数話はもう「わあ怒ってる怒ってる♪」と楽しくて仕方がない。ほんとに綺麗なんだもの。

ここでの顔がキツいほど後々の柔らかな表情が生きる。

 

 

裏山で弓を引く温寧と初対面の魏無羨。
温寧くん弓の名手設定って後から出てきたっけ?全く覚えがないんだけど。

というか、魏嬰さん蔵書閣行けって言われてませんでしたか?なぜ裏山に?ほらー藍湛が連れにきたよ。
殺陣の決めポーズめっちゃキレイじゃん。仲良しか。


ってとこで次話へ。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

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【藍曦臣 後譚】SS

人物項 藍曦臣を書いたオマケのSS。

 

【注意】
自分用二次。転載禁止。
ネタバレあり。
BL風味あり。
閲覧は自己責任で。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

「少し休もうか。」

 

コトリと筆を置くと、藍曦臣は傍らの藍忘機に声をかけた。大きな執務卓の上には姑蘇藍氏の管轄する地域からの訴状や夜狩りの礼状など、まだいくつか確認が必要なものがあったが、急を要するものではない。
「茶を淹れます。」藍忘機は即座に応えて隣室の低い卓へ向かう。兄の疲れた様子が気にかかっていた。今日は特に難しい決裁があったわけではない。以前の澤蕪君ならばすべてまとめて終わらせる程の量である。
あの観音殿の一件のあとしばらく寝ついた兄だったが、今では姑蘇藍氏宗主として日常の執務はこなしている。実際、混乱した仙修界では細々とした机上の執務も増え、主に澤蕪君がそちらを、実際に出向く夜狩りや各世家との協議は含光君が担当する、という暗黙の了解ができていた。徐々にではあるが各世家にもここ雲深不知処にも秩序が戻りつつある。
けれど藍忘機が帰着の報告のため兄を探す時、ぼんやりと回廊の端に立っていたり、自室の琴を黙って静かに撫でている、そんな姿を幾度となく目にするようになっていた。寝ついていた時よりかえって兄の物思いは深くなっているのかもしれない。
藍忘機にはひとつ藍曦臣に伝えなければいけないことがあるのだが、どう切り出したものかとシュンシュンと出始めた湯気を見ながら考える。ふいにふーっと息をつき執務卓の前に座っていた藍曦臣が立ち上がった。

「墨の薫りに酔ったかな。風にあたってくるよ。」

弟が茶を淹れるのを待たず、藍曦臣は部屋を後にした。


外廊下へ出るとすでに陽は傾き、かすかに夕餉の菜の匂いが風に運ばれてくる。夜狩りに出かける者たちが早めの食事をとっているのかもしれない。藍忘機が執務室に残っているということは、今日の怪異はそれほど剣呑ではないと判断したのだろう。最近は藍思追たち若い子弟もだいぶ頼もしくなった。弟は自身が優れた仙師であると同時に良い師でもあるようだ。
実際、忘機が夜狩りや子弟の鍛練だけでなく外との折衝一切を引き受けてくれているのは藍曦臣にはありがたかった。
あれからなんとか宗主としての体裁を調え日々勤めてはいるが、時が自分の表面だけを上滑りして過ぎていくようなそんな気がする。このままで良いはずがない。それはわかっているのだが…。身体にはもとより傷もなく霊識を損なったわけでもない。そんな自分には医室の処方する丹薬もあまり効果がないようだ。

 

チャプ…ン……。

中庭の池に小さな波紋が広がる。

「二兄さま。見て。蛙ですよ。」

声が聞こえた気がしてハッと辺りを見回した。
誰もいない。いるはずがないのだ。ここでそんな風に自分を呼ぶ者はもうどこにもいないのだから。

それでも面影は雲深不知処のあちらこちらに残っている。回廊を曲がって歩いてくる姿。風に翻る大振りな袖。蔵書閣で書を繰り墨をする指先と真剣な横顔。琴の上達を褒めた時のはにかむような微笑み。片頬のえくぼ。黒目がちの大きな瞳。二兄さまと呼ぶ静かな声。

それを懐かしいと思えるだけの時はまだ経っていない。むしろ いくら時が経とうと彼を懐かしい慕わしいと思うことなど自分には許されない気がしてならない。
結局 思いはいつも彼の最期の言葉へと行き着いて藍曦臣の眉間を歪ませる。
荒い息の中 絞り出すように言ったあのひと言。

「二兄さま 一緒に死んでください」

 

諾と。
それでいいと思った あの時。

けれど固く目を閉じたその覚悟は当の相手に裏切られた。一瞬何が起きたのかわからなかった。気がつけば誰かに支えられ、観音殿の外にいた。肩の鈍い痛みで突き飛ばされたのだと理解するまでしばらく呆としていた。


あの時自分はどうしたらよかったのか。嫌だと 離せと抗えば、私も一緒に連れていったのか阿瑶?なぜ私は確かめもせずにお前を剣で貫いた?お前はなぜそれを更に深く自ら胸に沈めた?なぜあの時私は目を閉じた?なぜお前は私を救った?なぜ阿瑶?なぜ…?
答えの出ない問いが頭の中で渦をまく。どうしようもない嫌な苦さがこみ上げてくる。もっと早く何かできなかったのか。あれほど近くにいながらなぜ気づかなかった。彼を救う術はなかったのか。私には本当に何も…。
眩暈がする。自分が今立っている場所もわからない。ここはあの日の観音殿か。それとも彼と過ごした他のどこかなのか。

 


「兄上…」


声に目を開くと、そこは雲深不知処の見慣れた外廊下。藍忘機の心配そうな顔が覗いていた。
そんな表情をするようになるとは、この弟も大人になったものだ。魏無羨に会ってからはよく見せていた顔だがまさか自分に向けられることになるとは。心の中で小さく苦笑して大丈夫だと告げ、知らずに凭れていた柱から体を起こす。そうは見えないのだろう。忘機が腕を支えてくる。支えてくれる手の確かさをありがたいと思いながら、その支えがなかったであろう者をまた思い出す。支えとなっているつもりだった自分の愚かしさが悔やまれる。ダメだ。また堂々巡り、振り払おうといくら首を振っても同じ思考の繰返しだ。

 

自室の牀榻に横になるまで兄を支え、藍忘機は置いてあった兄の琴でしばらく清心音を奏でていた。もう落ち着いたからと藍曦臣が声をかけると「残りの執務は私が。今日はこのままもう少しお休みください。」と言って出ていこうとしたが、扉の前で振り返りさりげない様子でこう言葉を足した。「魏嬰が戻ります。昨日便りが。もし…」最後はいいよどんでけっきょく続けず、そのまま静かに拱手して出ていった。


慣れた牀でひとつ大きく吐息をつき、藍曦臣は先ほどまでの自分の憂いとは別のことを考えていた。
無意識だろうが忘機は「戻る」と言った。あの件以来、独りで遊歴していた魏無羨が戻ると。旅の途中で立ち寄るというわけではなさそうだ。ならば、「もし…」のあとは「魏嬰が望むなら彼を雲深不知処に置いて欲しい。」そんなところだろう。
即座ににかまわないよと言える頼みではなかった。誤解が解けたとは言え夷陵老師魏無羨を姑蘇藍氏の客卿とすることがどんな軋轢を生むのか。たとえ藍氏宗主の自分でも独断で許可できる問題とは思えない。だから忘機も言葉を呑み込んだのだ。
だが…藍曦臣は考える。この十数年、あの弟がどれほど彼を探し求め共にありたいと望んでいたか。その想いを間近で見てきた兄としては今度こそ叶えてやりたい。
藍曦臣は魏無羨の人懐こい笑顔を思い出していた。
藍忘機の知己であるだけでなく、魏公子のことは藍氏の座学に参加していた頃からよく知っている。自由奔放勝手気儘にみえて実はとても細やかな優しい人柄だということ、不器用なその正義は我が弟と良い勝負だということ、そしてなによりその弟の表情を少しだが豊かにしてくれるのは彼だけだということも。

ふと魏無羨のことを考えている自分の口元が綻んでいるのに気づいてさらに笑みが拡がった。あの者ならばどんな問題もなんとかなるのではないか。ただし師叔藍啓仁の頭痛の種と藍氏家規はまた増えることになりそうだ。思わずフフと声が出た。
声を出して笑える自分に驚き、観音殿以来笑っていなかったことに気づく。するとなぜかさらに笑えてきて終には涙が出てきた。そうだ阿瑶とも声をあげて笑い合ったことがあったな。
そう考えて初めて藍曦臣は金光瑶のために泣いた。
泣く資格などあるのか、彼を悼んで泣くことなど許されるのかと、無意識に自分に枷をかけていたような気がする。だが魏無羨の笑顔を思った時、なぜかそれでも泣いていいのだと、彼の死をその生き様を悲しんでいいのだと思えて藍曦臣は声をあげて泣いた。涙はいつまでも頬と覆った手を濡らし、その口からは嗚咽がとまらなかった。
そうして泣きながら、藍曦臣は久方ぶりの深い眠りについていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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藍曦臣

前回金光瑶に呪われちゃった藍曦臣お兄さま、いや私が勝手に呪いと言ったわけだけど。あんな死に方をされたらそりゃあいつまでも引きずるでしょという意味での呪いである。
金光瑶はたぶん土壇場で、やっぱり藍兄さまを死なせたくない!と突き放したんだろうと思うが、結局一番メンタルにくる方法で藍曦臣の心に自分を刻みつけたわけだ。


そもそも、物語の終盤になるまで安定感のかたまり、陳情令の良心であった藍曦臣お兄さまが、なんでそんなことになっちゃったのかなーという話。

 

 


【注意】
自分の覚え書きなので乱文。
ネタバレあり。
BL風味あり。
閲覧は自己責任で。

 

 

 

 

 

 

 



藍渙     字・曦臣

 

号を澤蕪君という。

 

この人はもう本当ーに良い人。
いつでも物腰柔らかで周囲への心配りも行き届き、初期型わんじー君と違ってガチガチの石頭でもなく、清濁併せ呑むタイプのできた大人。
ただ優しいだけでなくもちろん仙師としての実力も確か。金丹で酒の酔いを消してしまうなんて芸当だってできちゃう(と言ってるけど実はただイケる口だっただけと私は踏んでる。技ならそれを弟に伝授しておいたら良かったのに あの酒グセの悪さ?を知らないのか)

魏無羨と澤蕪君2人で酒を呑むシーンがとても好きだ。
藍忘機には世の中規律だけで判断できるものではないよと言いながら、魏無羨には規律や正道に反しては世の非難をあびると正反対に見えることを言う。弟思いの澤蕪君のキャラクターが良く出ている。うちのワンジーがめっちゃ心配してるの君わかってる?という。
ある意味藍忘機本人より彼の気持ちがわかっている人。
だから私はこのお兄さまがとても好きなのだ。


よく考えたら藍曦臣て他のメンバーに比べてそんなに年かさでもないと思うんだけど、早く大人にならざるを得なかったのはこの兄のほうかもしれない。
ずっと藍忘機を年より大人びた少年と表現していたけれど、あんがい彼内面は子供だったもんね、素直じゃないし(そゆとこかわいいけど)。
兄弟仲は良好そうだが、藍忘機は必ず「兄上」と呼んでるし兄弟ベッタリという雰囲気でもない。特に魏無羨に会ってからこの弟は心ここにあらず。家族より「友」へ関心が移るのは順当な成長だけれど少し寂しくもある。
そこへ突然、手放しで慕ってくれる新しい『弟』が現れた。それが金光瑶だった、のだと思う。

 


素直で聡明、自分ととても気が合ってニコニコとかわいらしい。こんなに話の弾む愛嬌満点の弟を知らない(笑)ので楽しかっただろうなーと想像できる。いやもちろん藍忘機に不満があったとかいうことじゃなくタイプが違うという意味で。

金光瑶にとっては藍曦臣はきっと絶対的神聖な存在であったので、他所で見せるような闇をこの義兄の前では見せなかった。
初見は、いやいや金光瑶見るからにあやしいじゃん藍曦臣ほどの人が信じ過ぎでは?とちょっと思ったけれど彼はその裏の顔を見せていないだろうから無理もないのかと見返して考えた。特にペーパー魏無羨が共情した赤鋒尊の記憶のあたりは知らないもんね。

つーか赤鋒尊はナンデ金光瑶と義兄弟の契りを結んだわけ?そこはまじめにわからん。見張ろうとしてたとか?でもさあのニヤリ顔知ってていったいどーゆー了見なんだ大哥ー!と小一時間問い詰めたい気持ちだが今回はまあいいや。


とにかく、藍忘機と魏無羨に絆を育むだけの時があったなら、藍曦臣と金光瑶にも同じように、いやむしろ彼らよりもっと長い時があったのだ。信じると思えるだけの時と絆が。それでも時おり垣間見える阿瑶の暗い顔は出自からくる苦労と心ならずも犯した少しの罪のせい。そう考えて自分を納得させていたのかもしれない。少しどころじゃなかったわけだけど。

 


なんかなーこの人報われない。
報われないのは金光瑶のほうでそれは自業自得のはずなのに、捲き込まれた藍曦臣のほうがもっと報われない気がするのはナゼなんだ。
最終話、観音堂の階に呆然とした顔で座り込む藍曦臣が一番救いがないように見えてとても痛々しい。思わず飴をあげたくなる。あ、それ別の人か。しかしアイツには飴あげたくないからな私は(怒)。
いやいや今慰めたいのは藍家のお兄さまである。


去る者は日々に疎しというから、藍曦臣もさすがに一生そのままではないと思うけど、でもしばらくは立ち直れないだろうなあ。
信じていた義弟のあの最期の姿と結局その彼を刺し殺した(かは微妙だけど)のが自分だという事実。これはキツい。かなりキツい。一月くらいは寝込んでもいいレベルですお兄さま。宗主だって人間だもの。そもそも藍氏は始祖と父と弟だけ見てもかなり情が深い家系なのだ。周りもそっとしといて欲しい。特に藍先生あたりがやいのやいの言いそうだけど藍忘機かばってあげてくれ。


時が立って表面上普通に振る舞うことはできても、きっと忘れることはないんだろうな、でもどこかで吹っ切れてるといいなあ…と考えてたら↓こんな妄想が浮かんだ。
なるほど二次創作というのはこうやって生まれるのかとちょっと新鮮な感覚で驚いたので次の記事として置いておく。

 

 

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泣くというのは一種のカタルシスである。
ウチの澤蕪君は少しウェット過ぎるかも。でも兄が弟を理解していたように、この弟だから理解できるダメージということで。


最終的に魏無羨は藍忘機の傍らに落ち着く(と思っている)ので、それが姑蘇藍氏の皆にとってもある種のターニングポイントになるような気がする。
少年の頃と変わらず快活な彼が、闇も光も内包して「随便」と言うその様子は少し生来の藍曦臣に似てきたような…。そうしてさらに深く優しくなった笑顔でウチの藍兄さまの呪いも解いてくれるといいなと心から思う。

 

 



 

 

 

 

 

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金光瑶


人物の2人目が、よりによってなぜ金光瑶なのか?

藍忘機の続きでもなく魏無羨でもなくコレ来る?明らかに人選間違ってる気もする(笑)が別にいいのだ。

4話を観てたらもう出てきてた。そして、ああこの人ねー うーん コイツもなあ…と色々考えてしまった。4話の感想に混ぜようかとも思ったのだけれど、ドラマ自体に関してとか藍兄さまとか、ちょっと広がってしまいそうなので独立させることにした。

正直 思い入れという意味ではそんなでもないので、(ますますなんで今書くのかという(笑))ま、サックリ書いてみる。

※そのわりに長くなった。自分でビックリ。

 

 


【注意】
基本的に自分用の覚え書きなので乱文。
最終話までの重要なネタバレ全開。
BL要素あり。

閲覧は自己責任で。

 

 

 

 

 

 


金光瑶(孟瑶)・斂芳尊

 

あれ?この人、字が光瑶なのかな?正式に金氏に迎えられたから父親から光の字(じ)をもらったっぽいけど…名前出てたっけ…まあいっか。


好きな華ドラを観ていると日本人でよかったなーと思う。
中国語はわからないが、漢字そのものには馴染みがある。もちろん中国語と微妙に違うことはあるけれど、これがアルファベット話者だとやっぱり理解度は少し下がる気がする。

で、名前だ。
登場人物の名前の意味を調べるのも沼あるあるだと思うが、漢字っていいよね。たった一文字でいろんな意味が含まれてたりするから興趣がある。
時代物だと古詩や史書に出典があったりして深く調べるファンの方もいるんだろうなきっと、面白そう。私はそこまでとはいかないが、なんとなーくこんな意味かしらんと想像して楽しんでいる。


そこでこの人の号、斂芳尊。
斂(この字は知らなかった)
→収める。しまう。潜める。隠す。

→(名声が)高い。(行いが)立派である。

つまり「名声高く立派だが、それを表に出さない謙虚な人」ってことかな。

 

斂の「隠す」にダブルミーニングを感じなくもない。
色んなものを隠している人だから。

 


仙門の名家蘭陵金氏宗主の落し胤ではあるが、母が妓女。そのため生涯を通じてかなり不遇な人生を歩むことになる。

表向きは、自分の裁量で父親に我が子だと認めさせ、射日の征戦後は金氏家中で立場を確立、その上最終的には宗主の座につき仙督にまでなっているのだから大出世だ。
名前まで孟瑶から金光瑶になったりして、ホントまるで出世魚みたいな人である。

でも、裏では大変だったんだよね。結局あの父からは全く息子と思われてなくて、どこまでいっても周囲からは出自のことで侮られる人生。
彼にとって「妓女の子」とは単に庶子だと言われているだけではない。「お前はどこの誰が父親かもわからない者」と嘲られているのと同義なのだ。アイデンティティーの根幹に関わる重大な侮蔑。だからその一言は光瑶の逆鱗に触れるのだ。


そんなことの繰り返しであーなっちゃったのかな。
可愛いえくぼ仮面の下で、実は悪巧みしてたのね。あの時もこの時も実はこんな顔してたんだなお前は、と。伏線回収の見事さを体現してくれる光瑶クン。
確かになんかやってるなー、ただの謙虚な良い人じゃあないよなーって思ってたよ。


でもキミ、やったことのエグさったら…!
想像以上でしたよ ええ。

 

いや確かに。同情の余地はなくもない。特にあの結婚に関しては「他の道などなかった」と言われて、そーだよなあと思った。後出しで「実は妹です!」って言われても…そりゃあ困りますよ、彼も。
どんな理由があったとしてもやったことは盛大に間違ってるけどね。

結果、近親婚に親殺し子殺しとか、脅迫されたり亡霊に怯えたり。この人だけひとり、ギリシャ悲劇かシェイクスピアでもやってんのかと思いましたよ私は。最後辺りの長台詞もそれっぽい。あれは消耗するよね。演者さんお疲れさま。

 


いやーいっそもうさー、光瑶クン全部ぶっちゃけちゃえばよかったんじゃないの?

もともと全部悪いのはあのクソ親父なんだから。(失礼、つい)
そりゃ一騒動起こるだろうけども、金家一門なんかもーほっときゃいいじゃん。あんなドロドロの家こっちから捨ててやってさ、藍兄さまんとこで事務方の仕事でもすればよかったんだよ。
表舞台で頑張らなくても雲深不知処で静かに暮らせば。兄さまならきっと受け入れてくれるよ。藍氏の子たちならきっと笑ったりしないよ。あ…いろいろバレたら含光君は怒るかもしれないけど…いや。いやいや。内心はともかく対外的には、あの夷陵老師を匿おうって人間が口を出せるはずないわ!そうだ!そうだよ!
今までまあまあのことしてたとしてもさ、そうすればなんとかなったんじゃないの?ダメ?ダメですか?

 


…言っても詮無いことではある。すべては決まったことなのだから。
ドラマだもんな…。(元も子もないことを)

 

 

どのみち彼にはそんな生き方は無理なのだ。

自分たち母子をゴミ屑のように捨てた金氏のトップに登り、自分を侮り踏みにじってきた仙門の者たちの上に君臨する。これが彼の復讐であり、出自は賎しくとも優しく教養深かった亡き母への供養であり、彼が生きるということの意味なのだから。


だから  金光瑶は死ぬしかなかったのだ。

 

 

 

 


ああ藍兄さま藍兄さま
たとえ信じてもらえなくとも
血と嘘にまみれた私の今生の中で
貴方だけがたしかな光でした
いつまでも貴方の傍で
琴笛を聴き 柳緑を愛でていられたら
それだけで生きてゆけたなら
どんなに…

 

 

 

 

そうして 期せずして 彼は呪いをかけた。

末期の瞳に映ったその人に。

その話はまた後日。

 

 

合掌

 

 

 

 

 

 

と こ ろ でー

このドラマ、お国柄BLは✕らしいけども、あの金光瑶のラストはあれだいじょぶなんですか?
けっこう だいじょばない レベルだと思うんだけど??


「他の誰を傷つけても、貴方だけは…」
「兄さま 私と一緒に死んでください!」


いやダメでしょこれ。

 

澤蕪君のほうは、まあ優しい兄としての気持ちと言えなくもない。が、金光瑶のほうはちょっとなー、審議案件だと思うなー。

 


だいたいあの国のBL規制?ってどこからがダメなの?愛してるとか慕っているとか言ったらだめ?キスシーンその他があるとだめ?
逆にそれがなければ有りなの?一緒に死んで はOKなんだ?桃園の誓い的な?
んーよくわからん。

 

 


最初にUPして見苦しかった部分を少し修正。

 

流れ的に次の人物は藍曦臣かな。

うん近いうちに。

 

 

 

 

 

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